「湖西市議会議員 くすのき浩幸」オフィシャルサイト

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空き家対策先進地視察@広島県

2月2日~3日

■目的

・空き家対策先進地である尾道市、呉市を訪問、推進NPO団体に対する行政支援について伺う。

・企業と行政の協働事業(創業支援)、研究機関支援について広島県の取組みについて調査し、湖西市の新産業開発発掘の参考にする。

■内容

1.空き家対策

(1)呉市

■対応DSC09390

呉市役所 都市部住宅政策課 課長 坂井 学 様

①空き家バンクの取組み

平成17年10月からHomePage で公開運営している。

→132件が登録され、57件が成約されている

音戸、倉橋など風光明美なロケーションの有る物件が多く成立している。

②空き家実態調査

平成27年6月~平成28年3月末まで、民間業者(アジア航測株式会社)

に調査委託→GISデータ化

③空き家条例

平成26年1月より、議会提案で条例制定(議会発議の条例は呉市議会初)

空き家の適正管理を求める条例

  • 呉市では住民に対し、講演会、セミナーを矢継ぎ早に開催、当事者意識の

醸成を図っている。

④今後の動向

・空き家オーナーへの意向調査

 

(2)安佐北区 NPO法人ウイングかべ

■対応

NPO法人ウインクかべ 副理事長 梶川 暢之 様DSC09394 - コピー IMG_4137 (1) - コピー DSC09407 - コピー

①概要

2006年旧街道の古民家を再生、地域コミュニティ設置を計画

精神障がい福祉団体と協働でカフェを併設

②資金調達

近隣地域への募金活動753万円(ビックリ)

各種基金活用

※広島市まちづくり活動支援@200万円(市民ファンド・フムフム)

共同募金→テーマ募金

(3)広島市

① 概要

住宅団地における空き家対策

平成27年空き家が増加する市内169の住宅団地を指定、空き家対策を推進

広島市の住宅団地は平地が少ない事から山の斜面を削って造成された団地が

多い。→老人は住みにくい→今後30~40万人が対象となる。

老人の買い物、福祉課題が大きくなる事から空き家対策に力点を置いている。

■広島市役所対応

住宅部住宅政策課 課長 山根健治様DSC09423

専門員 吉谷勝美様

企画総務局コミュニティ担当課

課長 杉山 朗様

企画調整部政策企画課

主査 三原 正弘様

② 方策

・各種助成

○親の近くに引っ越したらMax10万円を助成 今年度90件募集するも1カ月で

完了してしまった。平成28年度も予算計上予定

○コミュニティ活用したら固定資産税減免

・住宅、空き家セミナー

・地方銀行連携 ファミリーローン 金利割引

(4)所感

安佐北区(可笑屋)まちづくり団体と福祉

団体の協働による古民家の再生と活用の成功事例。

資金調達にはご苦労が有ったが、福祉団体に対する基金活用は手厚く、効果も大きいと感じた。まち歩き客の来訪など地域の活性化と、地域の居場所づくり、コミュニティとして活用されているし、ハンディを持った人への就労機会雇用創出に繋がっている。

広島市では楠の実家も空き家対策団地に指定されており、対策の必要性を実感する。

市では各種政策を若い職員から提案されていると聞いた。現場に足を運び実態に合わせた施策が講じられている点は参考にしたい。

空き家は放置していてもオーナーに負担が少なく、解体や相続を行う事で費用が発生するため市場に出てこない事が課題であり、改善が望まれる。

国交省の空き家対策、中古住宅控除など国も空き家対策に少しづつ動き出している様で、ワッチして行きたい。

 

2. 広島県庁

(1)産官学連携産業支援

■ 広島県対応

商工労政局 イノベーション推進部長    大石 知広様(経産省出向)

イノベーション推進チーム課長 井上 隆志 様DSC09426

(1)創業支援

① 概要

オール広島創業支援ネットワーク

国家戦略特区→法人税減免、5年間控除

KPI設定 平成30年末までに開業率10%の社会を目指す

② 成果

サポート実績 300件創業

(3)マツダ本社

■対応

R&D技術管理本部 本部長 木谷 昭博様

主幹  武田 克巳様

①概要

広島における自動車産業に係る産学官連携について

マツダ、広島大学との連携

広島大学からマツダのスパコンを利用可能とするなど環境整備

インターシップ制度:2週間→マツダファンを作る

次世代ものづくり基盤形成事業 148,5371千円予算化

→開発基礎研究

→デザインサポート

②成果

ティア1への技術支援及び人材育成(新人教育)

県外企業とのコラボレーション、マッチング

医療、福祉機器への応用事業拡大

カーテクノロジー革新センター

 

(4)所感

全国で進められている産学官連携において、広島ではマツダに特化して行政資金も

多額な投資を行っている。地域特性も有るが、偏った産業構造への危機感も感じた。

また、公的な資金を投入している事から事業内容の公開性も課題。研究の成果はもとより、プロセスにおいては情報公開のガイドラインが必要。

湖西市においても研究機関を招致する時には上記をしっかりと協議する必要がありそう。

今回の視察では、行政職員のアイデアで政策に結びついている事例や、現場密着の

事業が多く、湖西市職員にも同行してもらえば良かったと反省する。

■成果

○空き家対策

呉市、広島市に依る「空き家問題」は行政が喫緊の課題ととらえ積極的に調査対応を始めている。住宅団地が多い地域では解体、リフォームの助成はもとより、移住政策を取り交ぜ知恵出しを行っている。空き家予備軍も多い事から「明日は我が身」と、地域住民に対する当事者意識の醸成が必要と感じた。また、空き家の活用として福祉事業やコミュニティへの活用について行政の支援領域の拡充の可能性を見出せた。

○産官学連携産業支援

広島市は自動車産業の城下町である特性から基礎研究部門開発段階における産官学連携が行われている。湖西市単独では困難だが、静岡県との連携により職業訓練センターを核にしてものづくり人材育成の必要と可能性を見出せた。近隣では愛知県幸田町のものづくりセンターが参考になるのではとのアドバイスを戴いた。