10月17日
第86回全国都市問題会議に参加してきました。
今回のテーマは「健康づくりとまちづくり」 〜市民の一生に寄り添う都市政策〜
1. 基調講演
講師: 青山学院大学教授 生物学者 福岡伸一氏
「生命を捉えなおす」 ー動的平衡の視点からー
生命とは「動的平衡」の中に存在しており、生きていくことは常に変化し続けることを意味します。 オランダのレーウェンフックが顕微鏡を発明した時代から、生命は機械のように固定されたものではなく、常に変化し、流れ続けるものだと考えられてきました。 福岡氏は、まちづくりにおいても、放置されれば荒廃していく都市を先回りして改修し続けることが、動的平衡また、大阪・関西万博においては、
「いのち動的平衡館」というパビリオンを監修しており、その取り組みも紹介されました。
2. 主報告
講師:兵庫県姫路市長 清元秀泰氏
テーマ:市民の「LIFE」(命・くらし・一生)を守り支え姫路の健康づくりとまちづくり
姫路市では、市民による主体的な介護予防を進めるため、認知症の初期介入や「いきいき100歳体操」などの取り組みが推進されています。また、姫路市はウォーカブルなまちづくりを進めており、中心部ではさらに、マイナンバーカードを活用した救急業務の迅速化や、フレイル予防アプリ、子育て応援アプリ「ひめっこ手帳」などICTを活用した健康づくりを目指して開発が展開されています。
3. 一般報告
講師: 筑波大学教授 谷口守氏
テーマ: 生き物から学ぶ健康なまちづくり
都市は人間が作る最大の生物模倣の成果であり、健康な都市が健康な市民を発するという視点が示された。ことが強調されました。
4. 一般報告その2
講師:千葉県流山市長 井崎義治氏
テーマ:都市特有を健康にするまちづくり 〜ストレスを軽減し、リフレッシュできるまちへ〜
流山市では、共働き世代を対象に居住人口の増加率を図り、交流、人口の増加を目指しています。 都市そのものを健康にするためとして、駅前送迎保育ステーションの設置や要配慮児童の保育受け入れの充実などまた、流山グリーンチェーン戦略を通じ、自然環境を守りながらのまちづくりを進めています。
5. 一般報告その3
講師: 兵庫県立大学学長 畑 豊氏
テーマ: IT/AIの健康分野への適用例 〜姫路市の健康データ解析と歌唱による誤嚥予防〜
AIを技術活用し、姫路市の健康データをファジィロジックで解析する取り組みが紹介されました。また、歌唱による誤嚥予防の研究や不妊治療支援についても議論され、社会全体での環境整備の必要性性が強調されました。
6. パネルディスカッション
テーマ: 健康づくりによるまちづくりパネリストによるディスカッション
では、子どもを健全に育てるためのまちづくりが、未来の健康な都市を作るために重要であるとの意見が多く見られました。また、新しいまちづくりの可能性や課題も議論され、特に健康に関わるデータの活用やオンライン診療の導入に対する期待が示されました。